[その1]伝統構法の耐震補強

伝統構法は在来工法と特性が異なるので
耐震補強は特別な配慮が必要です。

ここでは伝統構法独特の耐震補強について書いてみます。


基本:耐震補強の前に痛んだ箇所の補修を優先してください。

どれだけ補強をしても元々痛んだ箇所があっては持ちません。
補強の前に建物全体の調査を行い、修復計画を立て補強します。

補強は全体的に行う

伝統構法の構造は木組み・通し貫で繋がった物です。
弱い所だけを補強すると全体のバランスが崩れます。

建物全体を見て補強のバランスを加減します。


伝統構法耐震補強の禁じ手

1.筋交いを用いてはいけない

伝統構法は曲げ系の構造体です。
筋交いの補強を用いると柱の曲げを抑えてしまい
余計な応力を発生させます。

結果柱が折れる破壊で倒壊に至ります。

倒壊に至らなくとも柱頭・柱脚を破壊し
解体しなければ補修できません。

2.金物補強は行わない

仕口など接合部への金物補強も被災時に柱・梁の破壊を招きます。

弱い接合部だった場合、木組みにより粘りを持たせる補強を行います。

仕口が痛んでいるときは部材の補修を行い組み直します。

どうしても金物補強を行う場合は耐力の小さいものを使います。

3.石場建てにアンカーボルトは使わない

石場建ての場合基礎補強などせず、アンカーボルトも使いません。

石場建てが免震要素ですのでその効力を活用します。

柱が沢山痛んでいる場合、柱を補修し同じく石場建てとします。