木造について

耐震性が高く耐震等級3の安全な木造
伝統的木造の長所を取り入れた設計
在来工法の欠点を補う独自の工夫
災害に強く地震台風で壊れにくい設計
省エネ性能が高い高断熱高気密の快適な木造

木造は「在来工法」と「伝統的木造」

木造は「在来工法」と「伝統的木造」の二種類があります。

在来工法は明治維新にてドイツやイギリスから技術を学んだ木造です。
それまで受け継いできた伝統的木造を海外の技術に変えたものです。
柱や梁などを製作する道具は受け継いできた道具も使いながら、
筋交いやボルトで止める作り方をしています。

伝統的木造は奈良飛鳥時代、それ以前から受け継いできた木造です。
木組みで骨組みを作り、板や粘土を材料にした土壁を使い作ります。
必要なところに和釘をつかいますが、ほとんど気の組み合わせで作ります。
筋交いは小屋組みなど限られた部分に使っていました。

ほとんどの木造は在来工法

現在、建てられる木造のほとんどが在来工法です。
伝統的木造は社寺仏閣と個人住宅・店舗など全体の一部で使われています。
在来工法と伝統的木造それぞれ長所と短所がありますが、
設計では両方の良いところを活用して在来工法も改良しています。
在来工法は「自然素材の家」伝統的木造は「木組みの家」「土壁の家」
としてそれぞれをご提案しています。

木造の安全性

筋交いや構造合板をつかいボルトで止める作りの在来工法は、
地震のない地域での木造なので耐震性に問題がありました。
それが阪神淡路大震災での倒壊の原因でもあります。
何度も地震での被害を経験して改良を積み重ねています。
最新の建築基準法では震度6弱程度は耐える目途がついています。
震度7に耐えるには構造計算で耐震等級3は確保したいです。
さらに壁倍率ゼロの制振装置を付けると安全性が格段に変わります。

私の設計ではその在来工法をさらに改良してご提案しています。
耐震等級3の構造設計を行い構造金物の工夫をします。
倒壊しにくい木造にする為伝統的木造の木組みの工夫を一部取り入れます。
一階が潰れないための支える工夫を設計します。
ハウスメーカーでは作れない安全な木造をご提案しています。

継ぎ手:追っ掛け大栓

梁・桁の継ぎ方は追っ掛け大栓という継ぎ手で組みます。
継ぐ箇所は噛み合うように複雑に加工して組合わせて、更に込み栓を打ちしっかり繋ぎます。






噛み合う場所は長さ36cm程度あります。
木が持つ摩擦性能を生かしてしっかり力を伝えます。
普通の継ぎ手腰掛鎌継ぎの5倍程度の強さがあります。

長ホゾ込み栓

柱と土台、柱と梁・桁を組み合わせは「長ほぞ込み栓」で木を組みます。



一般には柱の短ほぞに金物補強ですが、
木組みの家は長いほぞでしっかり木を組みます。
込み栓によって長ほぞが外れるのを防ぎ、
長ほぞは地震の揺れ揺れによる傾きにしっかり耐えます。






長ほぞはしっかり12cmありますが短ほぞは6cm程度。
金物で補強するにしても、しっかりした長ほぞで作るのが地震に強い家になります。


木造の外壁

耐火性能・耐久性・コストパフォーマンスから着色モルタル仕上を基本としています。


注意点は通気層を確保すること、
通気の湿気対策はラス下地の劣化を防ぎ耐久性に大きく差が出ます。
透湿シートやラスシートでの防水テープ・コーキング処理も重要です。
着色モルタルによ高耐久性を持たせます。

外壁の材料は良質無垢の木もお薦めです。良い材料の木材は長持ちします。
また予算を抑えるにはガルバリウム鋼板が耐久性高く使いやすいです。

省エネ性能を向上させるため外断熱も採用しています。
燃えない無機質の断熱材です。火災でも延焼しない安全な作りです。
さらに、遮熱対策も行い室内を温かく涼しく快適に作ります。

木造の内壁

室内側は柱を見せるのが基本。
壁の中にしまうと木材が持っている調湿性能が活かされません。
万が一のシロアリの被害もすぐ見つかります。

昔から受け継がれてきた作りにはきちんとした理由があります。



柱を見せても火災に強い「準耐火建築」の木造が作れます。
柱は火災にあっても表面が炭化して多くが残ります。
屋根と壁が無くなって骨組みだけの燃えた家を見た方も多いと思います。
壁と屋根を最新の基準で造ると火災に強い柱の見える家ができます。

耐震性は筋交いを控えて耐力面材を壁に張る耐震構造とします。
室内側に耐力面材を張る方法は万が一地震で多少壊れても
修繕工事がやりやすいです。
壊れたときに直しやすい造りが大事です。

工事費を抑えて筋交いを多用するときは、
筋交いが折れにくい特殊な筋交い金物を採用しています。

木造の屋根

耐久性、熱対策、雨漏り防止からやはり瓦で作りたい。
良質の瓦は100年持ちます。
焼き物なので同じ製造日でも多少の品質ムラがありますが、
屋根に対して数枚50~60年程度で割れるものはあります。
割れたものはそれだけ取替えが出来ます。
(但し特殊な形状は在庫がなくなると取替えできません)



瓦は重く地震に不利と言われますが、骨組みをきちんと作れば問題ありません。
屋根瓦の下には通気層を作り効率よく空気を流して夏の暑さを逃がします。
さらに、遮熱防水シートをつかい省エネ対策します。
屋根用の遮熱防水シートは5~7割の熱を遮断します。
夏の暑さ冬の寒さの影響を和らげ、省エネの住まいになります。

屋根の遮熱(熱の流れ)

気密性能
木造住宅は省エネ性能を確保するのに気密性能が重要です。
気密が悪いと隙間から空気の出入りがあり建物の熱が逃げたり
外部から熱が入ってきます。日射の熱や外気の熱の影響を受けます。

気密性を持たせるには面材を張って気密テープ継ぎ目など処理する方法と
気密シートを使って継ぎ目などを気密テープで処理をします。
コスト優先でどちらかで気密性を確保する事例が多いですが、
耐久性と性能確保を優先してダブルで気密をとるようにします。

気密測定は工事中に2回行い完成時にも行います。全部で3回になります。