[その4]適材適所 木づくり

木には多様な種類があり、それぞれ特性があります。
木の持つ特性を正しく知って活用しないと、
伝統構法で建ても家が長持ちしません。

正しい木づくりを行いましょう。

 

使いやすい材種

杉・檜:針葉樹の素直な木目、加工のしやすさ、
耐久性の高さと、使いやすい材です。

柱・梁から床や壁の板材まで活用できます。

檜の方が含有樹液のヒノキチオールが
より耐久性を高く、防蟻性があります。

しかし、ヒノキチオールからシックハウス症候群を
発症する事例もあるのでアレルギーがある場合は
使うのに注意してください。

近い樹種で檜葉・椹(サワラ)があります。

どちらも耐久性が高く、水のかかる場所でも結構持ちます。
檜葉はウッドデッキ・土台・浴室の壁など、椹は浴室の壁など。

 

曲げに強い材

松:樹液の性質からか粘り強い材料です。

梁に使います。雨掛かりには弱いので
荷重がかかる梁は雨仕舞いを配慮するか、
檜など別の材とします。

年数がたつと虫食いがあるのも悩ましいです。
キチンと駆除すれば問題ないので見つけたら早く対処して下さい。

 

使いにくい材種

広葉樹:木目が綺麗で材が固く持ちも良いのですが、
乾燥に時間が掛かり経年変化で捻れ曲がりが起きるのが難点です。

例えば、栗は水に強く持ちが良いので土台に使うと良い材です。
しかし、梁や柱に使うと後々捻れ曲がり家を壊すことになります。

総欅造りも見応え有り迫力ありますが、
乾燥が甘いと木組みが捻れて持ちません。

広葉樹の雑木を柱に使う例もよく見ますが、
十数年は大丈夫でも後々捻れ曲がるとか
大きな割れが起きないか心配です。

広葉樹は板材でよく乾燥させて床や
造作家具で使うのが適しています。