木が素材として持つ特性を生かすための工夫があり、
梁などに用いるつなぐ為の接合部は
二つの材を張り合わせるように接合部分が長いです。
接合部の部材が触れあう面を大きくすると
摩擦で繋がる面も大きくなります。
木材の表面は摩擦が大きいため
強度を大きく確保することができます。
梁の部材が交差する接合部は上下に組合せ、
大きく変形するほどの力がかかっても外れません。
また、お互いに接合部分がめり込むことで接合部が破壊されず、
大きな地震時などの変形に耐えることができます。
伝統構法の特徴は、複雑に加工した接合部は在来構法より強度があり、
ボルトの補強に頼らずに骨組みをくみ上げることが可能なことです。
また、組み合わせた接合部は地震などの力がかかった際、
木材が素材としてもっているめり込む特性によって
大きな変形でも簡単に破壊しない粘り強く壊れない性質をもっています。
日本では数十年に一度震度6程度の地震が起こる地域が多く、
大きな地震があっても簡単に崩壊しない構法を模索していたため、
この特徴をもつ接合部が発達したと思われます。
接合部が粘り強く外れず、
構造壁もはしご状に組み合わせた部材は
簡単に壊れることがありません。
それらで組上げた伝統構法の家は、
建物の形状に根本的な問題が無い限り簡単には倒壊しません。
粘り強い構造体は家内部に生き残る空間を残してくれます。